今日、アニメ主題歌、アニメソング歌手の曲、声優の曲(以下、この3つを「アニメソング等」と呼ぶ)がオリコンチャートの10位以内にランクインすることが珍しくなくなっています。その中で1位となった曲はまだありませんが、近い将来、それが実現する日が来るかもしれません。
このように、アニメソング等は現在、多くのファンからの支持を得て、J-POPに勝るとも劣らない勢いを持っています。それらはなぜ売れるのか、その要因を、(主な消費者層である)アキバ系の傾向、アニメソング等自体の傾向、アキバ系でない人への認知 の3つの視点から挙げてみました。
(アキバ系の傾向)
世間の流行に関心がない一方、アキバ系の間での流行に敏感である。その流行や評判はインターネットを通じて瞬時に大勢に伝わり、アニメソング等の売り上げを大きく左右する。
ファッションに関心が薄い分、アニメやゲームといった趣味の分野にお金を多く費やせる。そのため、アニメソング等のCDをたくさん購入できる。
J-POPなどのほかの音楽ジャンルに興味がない(か毛嫌いしている)ため、買う音楽が結果的にアニメソング等に集中する。
「誰々のCDは全部買う」「このアニメ・ゲームに関連する商品は全部集めたい」など、収集欲の高いファンが多い。このようなファンによって、特定の歌手・声優が曲をリリースするたびに上位にランクインする。
(アニメソング等自体の傾向)
特に「電波ソング」やキャラクターソングに当てはまることだが、曲調や歌い方に強いインパクトがあり、それがアキバ系の関心を集めている。
アニメ・ゲームの主題歌に当てはまることだが、元の作品が有名な(人気とは限らない)場合、タイアップ効果が働き、曲そのものの出来に関係なく売れてしまう。
固定ファン、特に収集欲の高いファンの多いアニメソング歌手 および 声優の場合、リリースした曲がその出来に関係なく売れてしまう。
J-POP歌手を起用したアニメソング(夕方のアニメに多い)の場合、その歌手のファンとアキバ系両方からの支持を得られる。
(アキバ系でない人への認知)
「COUNT DOWN TV」などの音楽番組でアニメソング等を聴けるようになり、アキバ系でない人にも知られるようになった。それらはJ-POPと同じように紹介されることが多く、視聴者は聴いているのがアニメソング等とは気づきにくい。
歌手・声優の公式サイトに試聴曲が公開されていれば、アニメソング等を誰でも簡単に試聴できる。
大型CDショップなどに「リスニングポッド」が置かれるようになり、気になったり勧められたりしたアニメソング等を手軽に聴けるようになった。
オンライン通販が普及したことによって、アニメショップに行かなくてもアニメソング等のCDを買えるようになった。つまり、アキバ系でない人でもそれらを買いやすくなった。
このうち、最後の「アキバ系でない人への認知」はアニメソング等の売り上げにあまり関わっていないかもしれません。ただ、無関係でもないと思いますし、今後より強く関わっていく可能性もあるでしょう(期待しすぎでしょうか?)。
また、J-POPの低迷というのも、アニメソング等が勢いを付けている背景にあるでしょう。つまり、J-POPの売り上げが全体的に下がったため、アニメソング等が簡単に上位にランクインできるようになったわけです。
なぜ低迷したのか。可能性の低いものも含め、考えられる理由を下にまとめました。
- 携帯電話やその他の趣味にお金をかける人が増えた。
- 中古販売やレンタルが普及し、新品を買う人が少なくなった。
- インターネットの普及によって、「他人からコピーをもらう」という非合法な手段でJ-POPを入手する人が増えた。
- 一時期広まったコピーコントロールCDが「音が悪い」「無責任である」「消費者を軽視している」などの批判を招き、レコード業界への不信感を助長した。
- 今時の若者受けを狙ったJ-POPが蔓延し、それ以外の層がJ-POPを以前より買わなくなった。
- 消費者が(マスメディアでもてはやされる)J-POP歌手らの有名無実さに気づき始めた。
余談ですが、一部のアニメソングファン(オタクと呼ぶべきか)がJ-POPを毛嫌いしているのには、この中の5と6が関係しているでしょう。そのようなJ-POPの「分かりやすい」面だけを見て、その視点にとらわれているのです。探せば良いJ-POPが見つかるかもしれないのに、もったいない。
最後になりますが、きのう、アニメソング等のオリコンチャート進出について「キモイ」と感じている人(の書き込み)を「Yahoo!知恵袋」で見かけました。私に言わせれば、これはアニメソング等について無知であることの表れです。
現在、J-POPとアニメソング等との違いは(聴覚上)ないに等しく、両者を区別せずに聴いてもまったく問題ありません。それを知らない もしくは 認めたくない人が、後者を「聴かず嫌い」したり特別扱いしたりしているのです。